相談するべき弁護士の選び方
1.地域密着の事務所かどうか
労災の被災者の方が弁護士を探す際には、インターネットを利用されることも多いかと思います。実際、検索すると、多数の弁護士事務所のホームページが表示されます。
ここで、インターネットで弁護士を検索する際のキーワードですが、「労災」+「弁護士」+「地域名」と入力するのがお勧めです。地域名を入れるのは、地域密着の事務所を探すためです。
インターネットで弁護士を検索すると、大都市に事務所を構え、弁護士も多数所属する大型の法律事務所がヒットすることが多いと思います。これらの事務所の中には、全国対応可などと謳うところもあり、その敷居の低さが一つの売りになっているように思えます。しかし、その法律事務所が労災被災者の方のお住まいの地域にない場合、依頼をされるかどうかについては慎重に検討された方が良いと思います。その理由は次の通りです。
医療機関の情報を把握できるか
依頼を検討している法律事務所が遠方の事務所である場合、その法律事務所の弁護士は被災者が通院する医療機関や医師の治療方針等の特性を把握することができず、被災者の方に十分な助言をすることができません。
当事務所では、ご相談者から、労災の治療に理解がある病院であるかどうかや、リハビリ施設が整っている病院であるかどうかといった質問をお受けすることがよくありますし、病院を転院する際に良い病院を教えて欲しいと頼まれることがあります。このような質問をお受けした場合、地域密着型で業務を行わせていただいている当事務所では、過去の経験に基づき収集した医療機関の情報をお伝えすることができます。
しかし、遠方の法律事務所の弁護士はそういう訳にはいきません。お住まいの地域に事務所を構える弁護士に依頼することは、このように大きなメリットがあります。
法律事務所での面談が容易か
労災で被災された方は、症状が思うように改善せず、生活や仕事での支障を感じるなど、精神的なストレスを抱えていることも多いと思います。このような場合、弁護士との面談で直接その思いを伝え、これに対する弁護士のアドバイスを受けていただくことで、ストレスを軽減していただくことができます。
当事務所でも、思い切って弁護士事務所まで足を運んで話を聞いてもらって良かった、問題が起こったときに弁護士に親身になって話を聞いてもらい心が軽くなった、という感想をよくいただきます。
また、示談交渉や裁判の方針等の重大な事柄については、依頼者と弁護士が顔を合わせて打ち合わせをすることが、依頼者が現在の状況をご理解いただく上で非常に重要です。しかし、遠方の法律事務所に依頼されると、弁護士との面談のための移動の負担を強いられたり、弁護士と面談する機会自体がほとんどなかったりすることが多いと思われ、依頼者のデメリットが大きくなることが懸念されます。
このように、お住まいの地域に事務所を構える弁護士に依頼することには、面談が容易かどうかという点でも大きなメリットもあるのです。
2.労災の専門のホームページを持っているかどうか
労災の被災者の方は、自身の被害回復を図るべく弁護士に依頼する以上、労災に強い弁護士を探されることと思います。しかし、インターネットで検索した多数の弁護士事務所のホームページの中から、労災に強い弁護士を探すことは簡単ではないでしょう。
労災に強い弁護士を探す一つのポイントとして、「労災専門のホームページ」を持っているかどうかという点が挙げられます。また、そのホームページ内にどのような情報が掲載されているかもポイントとなります。
「労働災害」「労災」という単語がただ並んでいるだけのホームページや、労災解決のために必要な情報が大まかにしか書かれていないホームページも多いはずです。本当に労災に注力し、努力を重ねている弁護士は、被災者の方にとって有益な情報をホームページ内に盛り込んでいるものです。
労災事故は、生涯を左右する重大な出来事です。だからこそ、様々な情報を参考に、本当に労災に強い弁護士を選ぶことをお勧めします。