労災隠しとは?
労働災害に遭ったのに、会社から「労災保険の申請をするな」と求められることがあります。
事業者は、労働災害等により労働者が死亡又は休業した場合には、遅滞なく、労働者死傷病報告等を労働基準監督署長に提出しなければなりませんが、事業者が労災事故発生の事実を隠すため、労働者死傷病報告(労働安全衛生法第100条、労働安全衛生規則第97条)を、(1)故意に提出しないこと、(2)虚偽の内容を記載して提出することを「労災隠し」といいます。
「労災隠し」は、被災労働者の保護と社会復帰を促進する労災保険の目的に反し、被災労働者の立場を不安定にするものであるため許されるものではなく、刑事責任が課される犯罪として扱われます。
しかしながら、現実には、会社が労災保険の申請を行ってくれなかったり、会社が従業員に対し労災保険の申請をしないように求めたりする事例はよくあります。
このように会社が労災隠しをしようとしている場合でも、労災申請は被災労働者自身が行うこともできます。申請用紙の会社の押印欄が空欄であっても、労基署は受け付けてくれます。ご自身のためにも、自分で労災申請を行うことを検討しましょう。
会社の労災隠しや、労災申請の方法等で悩まれている方は、一度弁護士にご相談ください。